モガキなワタシにごほうびを

自分を後回しにしてしまうワタシのモガキな日々。

妄想の効能

最近、落ち込むことがあった。

理由は、分からない。

 

やるべき事は、たくさんあって

動かなければいけないのに、

川の上流にある大岩のように

全くわたしの体は動きだそうとしない。

 

ただただ、アホのようにスマホで漫画ばかりを読んでいた。

私は小中学生の頃、周りの友達のようには漫画にハマららず、勉強ばかりしていた。

 

30代になって、漫画に夢中になるなんて、なんだか気恥ずかしいし、空しさも感じる。

一方、自分をしばりつけていた「楽しんではいけない」という呪縛みたいなものが、だんだん解けていくような感覚を味わった。

 

今まで、怠惰な自分を隠すように、私の脳みそは、カッチカチの真面目な奴で、私に厳しい規律を課した。

 

でも、そんな規律を守れる訳もなく。なにをやっても不完全燃焼で、途中で苦しくなって、逃げ出して、引きこもる。今までの私の人生はその繰り返しだった。

 

しかし今大人になり、アホみたいに堕落した生活をして、漫画ばかりを読んでいたら、私の脳みそも、ようやく私の怠惰な性質を理解してくれはじめた。

 

「どうしようもないな。このナマケモノ

脳みそさんの嘆きが聴こえるようだった。

 

「底のソコにいるな、わたし」

自分でも自分を憂いた。

 

引きこもりの生活をしていても、腹は減る。

私は仕方なく、家を出て、スーパーに向かった。

 

道をとぼとぼ歩いていると、後ろから親子の会話が聞こえてきた。

 

母「お兄さん、かっこいいですねって言うのよ。ほら言ってごらん」

息子「お兄さん、かっこいいですね」

 

キャバ嬢風の母が自転車をこぎながら、後ろに座る幼稚園生くらいの息子に語りかけていた。

きっと、これから彼氏と息子を初対面させるんだろうなぁ。彼氏はきっとこんな感じで・・・

 

わたしの妄想がどんどん膨らんで止まらなくなった。

怠惰な漫画生活の効能だろうか、今まで妄想なんてしてこなかったのに、街を歩くだけで、どんどん妄想が膨らんでいく。

 

スーパーのレジで二人の男子高校生が一台分の狭い空間で隣り合っているのを見たときも、BL(ボーイズラブ)的妄想が止まらない。

 

いつもの買い物、いつもの待ち歩きに、妄想のエッセンスを加えるだけで、なんだか街の色が変わり楽しくなった。

 

妄想力バンザイ。心の中は、わたしの自由なのだ。